投稿日:2008-03-02 Sun
「ぉぃ…おぃ……おいっ、お前等いい加減に俺を無視するのは止めろっ!」イタチ本が仁王像のような形相をしつつ仁王立ちしている。
つまり仁王さまみたい♪
ここだけの話、いくら井本の顔で睨まれても、中身がイタチだと思うと可愛く思えちゃうんだ。
「はぁ…だいたいお前等アホすぎ…」
イタチ本が呆れたように言ってる。
「何生言ってんだよ。イタチのくせに」
勝ち気な井本は、机の上から必死に応戦。
「それを言うなら、今のお前こそがイタチだろ。それにイタチは賢い動物なんだ。馬鹿にするな」
「ふん、賢かったら人間なんかに捕まらないよなぁ…」
「それはっ、あの時は自分の子供を庇うので精一杯で…」
あ。イタチ本くんが泣いた……。
「イタチ本くん…」
腕で顔を覆っているイタチ本くんの泣き声が教室中に響いた。
「子供がいたの?」
「………」
「イタチ本くんは、その子を庇ってて人間に捕まっちゃったんだね?」
「………」
「これ、良かったら涙拭いて?」
ハンカチを手渡すと、イタチ本くんは僕を見つめた。
「?」
「……田中…グスッ……だっけ?」
「うん?」
「お前は良い奴だな。それに器量良しだ」
「?」
「俺と夫婦になろう」
「……め…おと…?」
するとキャーーーーッ! と。
何、何、子供の泣き声? なんだか井本の方、つまり剥製から聞こえたような。
イタチ本くんはイタチ本くんで、苦虫潰したみたいな顔で、黙って井本を見つめている。
井本は、
「馬鹿イタチ! こいつは小さいけどメスじゃなねーっつぅの」
「え、めおとって…ええー…?」
「この小さいのがオスぅー?」
僕の驚きと、イタチ本くんの驚きはほぼ同時。
「イタチの雌って、確かオスよりうんと小さいんだよ」
「てっきり田中もメスだと思ったぞ」
「違うよぉ、僕は男なの。そりゃあ女子より小さいけど…そんなの生まれつきだもん仕方ないじゃない。それに身体が小さいってだけで、なんでメスな訳? オスより大きいメスっていないの?」
「………」
「何だよぉ…もう…」
今度は僕の涙腺が壊れた。
「よしよし…」
するとイタチ本くんが僕の涙をハンカチで拭ってくれる。
イタチに慰められるなんて、何か変な感じ。
「それよりイタチ、お前誰かに俺等のこと言わなかったろうな」
「ああ、まだ…」
「まだじゃねーぞ。言ってみろ、お前だってただじゃ済まねぇーからな」
「………」
で、僕ら3人(?)は、今後どうするかって話だ。


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