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スーパーマーケット 3 (3話とも推敲致しました 2/13付)
数週間前のニュースだ。
スーパーマーケットの駐車場で、
ホームレスの老女がバックしてきた車に
跳ねられ死亡している。
(あ、……このスーパーだったか?)
恐る恐る老女の姿を確認する。
良かった、今度はいない。

まだまだ気分は落ち着かないが、
車を走らせているうちに、恐怖も徐々に薄らいできた。
交差点で信号待ちになり、
ちょうど隣りまできたガソリンスタンドの料金表を見る。
(また上がってる…失敗したな、昨日のうちに入れとくんだった)
メーターを調べると、もう残り少ない。
(近所の買い物ぐらいだったら、今週中はギリギリいけるか?)
ミラーの角度を治そうと手を伸ばしかけ、だが
躊躇したまま手を引いた。
もしかミラーに映っていたら…
そう思うと怖かった。
帰路につくまで、私はバックミラーを見なかった。
荷物を取り出す時も、敢えて視線を下にして
後部座席は見ないようにする。
家へ慌てて入ってからは、照明をすべて点け、
テレビも音量を大きめにして、
なるべく老女のことは考えないように、直ぐさま料理に取りかかった。
野菜を洗い、包丁を手にした。
包丁も光っている。平の所に映りそうな気がして、
包丁もなるべく見ないようにした。

出来上がったカレーを前に、
独りでは食欲が湧かないことに気づく。
車で数分の所に住んでいる飲み仲間を電話で呼ぶことにする。
奴も給料前ということもあって、二つ返事で来ることになった。
手みやげの缶ビールと自家製野菜カレーで、
テレビを観ながら談笑していた。
「そういえばさ、庶務課の安藤さん、部長の愛人やってるって?」
「ホントかよォー…ちくしょー狙ってたんだよ俺…」
「何、お前も?」
「え…」
二人で顔を見合わせ、もう半ばやけくそみたいに高笑いをした。
「あー…でもあの人前から色々噂は絶えなかったよな」
「ああ、うん……火ィーある?」
笑いながら、奴はタバコを1本取り出し、俺に向かって手をしゃくった。
「ああ、あるよ」
俺は胸ポケットに入れていた、Zippoのライターを手渡す。
そしてビールを飲みながら奴が火を点けるのを見ていた。
Zippoライターの点火の仕方…いわゆる仕草に、俺はこだわりがあった。
奴は一丁前に手首を振り、ライターの蓋を開けて見せた。
銀に光るZippoライターはカチッと音を立て、だが火を点けるのに奴は2度失敗した。

俺は今日1日のむしゃくしゃを振り払うよう、
1度で点け…と点火に願を掛けた。
手首を振る。
蓋は小気味よい音を立てて開き、手首を戻す前にすかさずフリントホイールを回転させた。
点火!


最後に俺の心が見たものは、点火した火だったか、
それとも蓋に映っていた老女の顔だったろうか。
ぬるりと意識が身体を離れていくのが判った。
そして奴の声も……。
「おい、平井っ……平井ッ……」
大きくなるはずのない老女の顔が近づいた。
銀の蓋から離れたはずはないのに…。
そこで俺の精神は、人生ごと老女に呑み込まれてゆくのだった。
今俺の全身は悪寒という膜の繭になってしまったような状態だ。
それが端からは判らないらしかった。
俺は助けを求め続ける、老女の腕に抱かれながら。

平井武志27才…重度の意識障害より入院。




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スーパーマーケット | 23:24:01 | Trackback(0) | Comments(2)
コメント
http://cinnamonsbox.blog4.fc2.com/
そちらURLのブログもお持ちだったんですね、
私が伺ったのはコチラでした。↓
http://morganfieldbook.blog28.fc2.com/

>作品にではなく、この人の視点ばかりが気になります

そのお気持ちが文面から迸っていらしたので、
気になったのです。
これほど人の気持ちを動かすものとは、いったい…!って。
ですからまだ買ってもいない今から、沢木耕太郎氏の本を楽しみにしているんですよ。
わくわくしています。

本日はご訪問頂きありがとうございました^^

2008-02-14 木 07:10:00 | URL | shio [編集]
訪問・コメント有難うございます。
基本的には映画評論集ですが、評論対象の作品にではなく、この人の視点ばかりが気になります。
けれど、それがすごく心地いいんです。
何か考える時のきっかけというか、参考書というか、
とにかく?ためになりました。
2008-02-14 木 01:47:45 | URL | モックンモーガンフィールドB [編集]
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