投稿日:2008-02-15 Fri
文化祭当日、僕たちのクラスは仮装喫茶を開いた。女装する男子生徒、男装する女子生徒、おばけ、と多彩な顔ぶれの中
僕と親友の井本は、無難な所で兎と熊の着ぐるみを着ての参加だ。
喫茶は予想を遙かに上回る盛況ぶりで
僕らB班がようやく昼を摂れたのも、二時を過ぎてからだった。
昼食よりも遊びを優先して散っていった仲間を見送り、
着ぐるみ組であった僕と井本だけは、
暑さと息苦しさのためか疲れ切っていたので、
見物は諦め、静かな所でゆっくりしようということに自然話が決まった。
人気の無いところを求めて学校中を歩き回り、
ようやく辿り着いたのが、備品室。
平たく言うと、空き教室を利用した物置だ。
中に入ると、ずっと昔のバスケ部や野球部が貰ったトロフィーや盾、
どこかの外国から送られてきた意味不明の人形、
そうした処分する訳にもいかずに行き場を失ったらしきものが、
折りたたみ式の細長い机に所狭しと並べられていた。
僕らは委員に貰った菓子パンと牛乳を持って
出入り口からは死角になる所で、
壁に背を預け、直に床に座った。
「疲れたぁー…」
「このまま帰りてぇ〜」
会話にすらならなかった。
この教室に入った途端気が抜けたのか、
更に疲れがドッと出て、
本当にもう何もしたくなかった。
その証拠にパンの袋を開けた辺りから
互いにひとっ言も喋らず、黙々と食べている。
だから紙パックの飲み物なんて、直ぐに飲み干してしまった。
「俺、何か飲み物買ってくるよ。お前何か飲む?」
「うん」
「じゃ、何でもいいだろ? ってゆーか選べないと思うから
適当に買ってくるわ」
「頼む」
井本が行ってしまうと、文化祭の最中だというのに
辺りはとても静まりかえっていた。
今が何時なのか、
さっきまで何していたのかさえ
現実感が乏しくなっている。
相当疲れているんだな。


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