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赤い月
それはただの夢かも知れない。
けれどこれまで幾度か夢の中で先見や遠見をしてきた私の夢だ。
真実であるという可能性は最後まで消せない。


その世界での私は、浮遊した見えない存在となり、
まるで幽霊のように、ただの傍観者としてそこに在った。

その地がこの地球であったかは定かでないし
私がいつからそこに在ったのかも、自分ですら判らない。
ただ寂寥たる眺めに、
私が胸を痛めていたことだけが事実でなのある。


何かの施設だったのだろうか、
全体がクリーンルームとなっている、
外に面した壁面がすべてガラス張りの建物があった。
私はそのガラス壁に面した細長い廊下を、
人の腰ほどの高さに浮遊しつつ進んでゆく。

ガラスの向こうには、
全てを呑み込みそうなほどの闇が広がっていて、
その中でピラミッドが、ただ1基だけ照明に照らし出され、
それはまるで赤い月のようだった。

私は廊下の途中で壁をすり抜け、
ひとつの部屋へ入ってみる。
そこには若い男女がいた。
彼らの服装は、
ややごわついた麻のような布を、
多めにドレープをとって巻き付けたものだ。
古代ローマの物にも似ているが、それよりは布の分量が少なく、
中東の今の服装にも似て見えなくもないが、
男女ともに白だったので、その可能性はない。

部屋は壁も床も、人工大理石のような素材が使われていた。
床には、縦1.5㍍×横1㍍弱×深さ0.5㍍ほどの長方体に掘られた部分があり、
そこへ何か黒っぽい石を彫って作ったような胸像が、
やや斜めに上向けに寝かせるようにして埋め込まれてあった。
胸像の表面には、過去に外で放置されていたかのような痕もあり、
私は最初、彼らがそれを古美術品として愛でているのかとも思ったのだが、
突如女の方が、その胸像の前で泣き崩れてしまったのだ。
それで印象は一変した。
彼らはまるで墓石の前にいるようなのだった。

女がさめざめと泣いている傍らで、
男は立ったままやはり胸像を眺めていた。
まるで友の葬儀に参列してでもいるかのような悲痛な表情に、
私の気持ちはそこでぐっと彼らへと向かっていってしまった。

何を泣いていたのか。
完全に守られた環境の中で、二人には何処か絶望的に閉塞した共通の空気があった。
泣きながら、佇みながら、
共に明日の(未来の)自分たちを憂えているようにも見えた。

彼らには決して存在を知られることのない私は、
浮遊しただけの己の存在が悔やまれて、
ただ彼らに幸あれ…と切に祈った。

そうして無力であることを実感しながらその部屋を出、
私はまたその施設の中をひとり浮遊し続けるのだった。




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夢路(short-short) | 20:26:00 | Trackback(0) | Comments(2)
コメント
(U・x・U)よーみんさん、ドモです。
こちらこそ、ありがとうございます。次回も頑張りますのでよろしくお願いします。
2008-01-23 水 22:50:55 | URL | shio [編集]
こんばんは!コメントありがとうございました☆
素敵な文章書かれますねー!読んでいて惹きつけられました^^
これからも応援してます♪
2008-01-23 水 21:07:38 | URL | よーみん [編集]
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